かたてわざ

いろんなことを、気が向く範囲で片手間で。って言いながら最近 2nd ブログと更新ペースがどっこいどっこい。

ドゥカティ Supersports S の 500 km 試乗インプレ

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※最初にお断りしておきますが、こちらの車種の試乗中に立ちゴケをブチかましたため、「苦い思い出」成分がインプレにまぶされているおそれがあります。

 

ドゥカティの所有を真剣に考えたことはないものの、SuperSport のフロント マスクのクールさは、現在市販されているバイクの中でも屈指だと感じています。

見た目はスポーツ バイクだけどツーリングにもしっかり使える、というコンセプトは以前乗っていた Ninja 1000 にも通じます。

Ninja 1000 もカワサキのクセを感じる味付けでしたが、イタ車の味付けとはどんなものか一度確かめてみたくて、レンタルしました。

 

ショップから家まで乗って帰るわずか数 km の道のりで感じたことは 2 点。

 

「エンジン音がデカい!」

「内ももが熱い!」

 

Ninja 1000 も最初にレンタルした際は (そして所有して手放すまでも) 腹にもたれるエンジン音をネガに感じていたので、これはビッグ バイクならではでしょうね。

早朝の出発時は気を遣います。

 

エンジンやフレームの熱から来る内ももの熱さは、明らかに Ninja 1000 以上でしょう。

渋滞にハマったり停車したりしていると、やけどしそうなほどの熱を感じます。

 

足つきは両足べったり。

乾燥重量 183kg ということで、おそらく走行時の重量も Ninja 1000 よりは軽いのではと思います…が、Ninja 1000 は 3 年間一度もコケなかったのに、これは試乗した一日でコカしたんだもんなぁ…。

 

以下、3 つの視点から。

 

1. 速く乗れるか ★★★★

実は今回、そこまでの高速走行はしてないんですよね。

バイザー付きのオフロード用ヘルメットで乗ったので、風圧低減のためw

とはいえ、常用域でのエンジン パワーにはかなり余裕を感じました。

 

5 速 4,500 rpm あたりで 100 km/h なので、5 速でも無理なく高速道路を走れるくらいです。

では 6 速に入れたらどうなっちゃうのかという感じですが、実は 6 速でも 5,000 rpm で 120 km/h と、5 速とそんなに大きく変わらない印象。

走行モードが 3 つ (Sports/Touring/Urban) あり、今回は Touring と Urban しか試さなかったことが微妙に影響してるんでしょうか、6 速の実力を意図的に封印されているかのような感覚でした。

 

とあるレビューで SuperSport は優れたコーナリング マシンだという評価があったんですが、個人的には Ninja 1000 の方がヒラヒラできていました。

自分がセローに慣れきってしまって、ビッグ バイクのコーナリングができなくなったんですかねw

中高速コーナーではそれなりの安定感を感じますが、九十九折のような低速コーナーではギアの選択も難しく、どうもギクシャク・バタバタさせてしまいます。

 

高速道路走行と中高速コーナーのポテンシャルは十分あると思うので、星 4 つというところ。

 

2. 楽に乗れるか ★★

セパハンながら前傾姿勢はそこまでキツくない、というのが世間的な評価みたいです。

乗り出した当初は「案外キツいじゃん」と思ったんですが、最終的には「こんなもんかな?」という感じ。

Ninja 1000 もこのくらいだったかもしれません。

 

当たり前なんでしょうけど、シートに「前乗り」するか「後乗り」するかでも結構変わります。

前乗りの方が姿勢もラクだし、コーナーで向きを変えやすいような。

前傾ゆえの腰のハリは出ますが、500 km 走ってそこまでの疲労感はありませんでした。

 

シートは普通。

適度に休憩を取らないと自分の場合、尻が悲鳴を上げます。

 

ニー グリップする位置にフレームのツノみたいなのがあるんですけど、これは最後まで慣れなかったです。

ぶっちゃけ膝の内側が痛くなりました。

 

上述した低速時の不安定さにも関連しますが、乗っていて急かされる感じがあります。

もっと速度域を高めなければ落ち着かない、というような。

パワーをひねり出すこと自体は簡単なんですけど、それを前提にさせられている感じは「楽」ではないですね。

 

3. 長く乗れるか ★★

高速道路主体だったので実平均燃費は 22 km/L くらいだったかと思います。

タンクは 16 L とのことなので、計算上はワンタンクで 350 km ほどは行けますね。

燃料計はもちろんのこと、RANGE メーターも装備。

 

ただ、この RANGE が曲者でした。

それまでの平均燃費ではなく、瞬間的なものに近い燃費を根拠に再計算されるので、ひっきりなしに変動します。

帰りの中央道で、東京までの距離プラス 30 km ほどの余裕を見せていたかと思いきや、ちょっと渋滞につかまると数字が激減し、八王子までも持たないとか言い出す始末。

で、また流れ出すと「ドヤ」とばかりに余裕を見せます。

 

高速道路で一気に距離を稼ぐポテンシャルは予想以上にあったと思います。

それだけに、燃費周りの情報がおぼつかないのはマイナス要因。

 

あとは内ももの熱がひどいので、ペースが遅い区間や暑い季節はゼッタイに長く乗れません。

 

総評 ★★

星の数を足して 3 で割って四捨五入したら総評は星 3 つであるべきですが、気持ち的には 2.5 くらいですね。

 

過去に試乗したビッグ バイクと比べて、懐の深さが足りないな、という印象です。

乗り手を選ぶバイクに、ヘタレな自分が合わなかったといえばそれまでですけどね。

ZX-14R や Ninja 1000 には、一日試乗して感じる自分なりのスイート スポットというか、「こういうツーリング スタイルが合うバイクなんだな」という感覚があったんですが、SuperSport はちょっとそこが見えませんでした。

それでも強いて言えば、ツーリング ライダー向けというよりは、スポーツ走行をしたい人がそれをするための場所に長距離でも自走して行ける道具、でしょうか。

 

スポーツ バイクのスタイルでいながら、乗車姿勢がややラクというのはわかります。

でも、それだけではツーリング向けとは言えないんだなということ。

 

あとは、何度も書いてますが内ももの熱さは本当に暴力的。

信号待ちのたびにつらい気持ちになってしまいました。

少なくとも自分の場合、市街地走行でペースが落ちることのないツーリングというのはまずないので、乗り物が持つべき一定の居住性・快適性という観点でもっとも痛い点です。

 

 ドゥカティ SuperSport S のスペックと類似車種 | 車格.com

https://www.syakaku.com/bikes/13836