さて、先日お知らせした技能試験合格の報。
その後、正式な通知書が届きました。
人生で久しぶりの資格試験勉強だったわけですが、想像以上に楽しかったです。
あくまで自発的な取り組みだったので、試験合格に必要なレベルのことはあらかた学びたいという気持ちを素直に持てたのがよかったと思います。
仕事に関連する資格でもない以上、この知識やスキルが自分の中にずっと残り続けるとは別に思っていなくて、学んでみたいことを学び、ある時点までに身についたものが公的に認められるレベルに達したと分かれば、それでいいんです。
もし何かの折に再学習の必要に迫られることがあったとしても、その学習プロセスに対する自信が持てていれば、またやるだけです。
さて、こういった試験に合格した人がブログでやりがちなことそのまんまですが、勉強法のお披露目です。
筆記 (学科) 試験対策
試験の実施要領などは正式なものを参照いただくとして、参考書はこれ一本でした。
ド定番だと思います。
説明から過去問まで、内容的に不足はないでしょう。
ポイントとなるのは、読み方というか使い方です。
まずは頭から目を通していくわけですが、少なくとも最初は内容を覚えようとしないことです。
一回目からアンダーラインを引いたり、メモを取ったりなど、もってのほか。
そんなアプローチでは早々にパンクしてしまいます。
まずはさらっと目を通す。
そしてこの参考書の秀逸な点として、細切れのトピックごとに対応する代表的な過去問一つが参照できるようになっています。
流れのままにその問題に目を通し、「こんなことが問われるんだ」というのをぼんやり認識するだけ。
解答や解説にも目は通しますが、ここでも最初からそれを覚えようとしてはいけません。
1. 「こんなトピックがある」というのを認識する
↓
2. 「それに対応したこんな問題が出る」というのを認識する
↓
3. 解説を読んで「そういうもんですか」という程度に受け流す
最初はこれだけです。
頭にとどめるのでなく、右から左に流すようなイメージで。
このサイクルを何度か繰り返しました。
繰り返すほどに少しずつ中身を濃くしていくんですが、その際にも知識をひとまず詰め込むのでなく、「何が問われるか」をベースにします。
アウトプットとして求められることにフォーカスして、対応する知識を確認するという流れです。
なので、ある程度サイクルが回ったら、あとは過去問演習を主体にします。
参考書の「過去問題必須 180 選」というパートを通してみて、わからないものや間違ったものを中心に解説や説明部分に立ち戻ります。
このプロセスが一番大事だと思うので、やはりこれも何度か繰り返します。
日程の許す限りこの部分に取り組んで、それなりに手ごたえが得られれば合格ラインには到達できるんじゃないでしょうか。
あとは試験日程に合わせて、収録された過去問 4 回分を二回しほど。
当日の試験では、もちろん見たことのない問題も出てきますが、満点を狙うわけではないので気にすることはありません。
技能 (実技) 試験対策
参考書は同じくこのシリーズ。
筆記試験は学生時代の物理の知識だったり一般常識だったりでカバーできる部分もありますが、こちらはやったことのない作業をやって見せる試験です。
参考書を読んで正しい (推奨される) 手順を理解するのに加えて、実際に手を動かした量がものを言います。
試験に備えて、工具はもちろんのこと、練習キットを入手しないわけにはいかないでしょう。
工具はドライバーやペンチなどありもので賄えるものもあれば、圧着工具や VA 線ストリッパーのようにこれまで手にしたことのないものもあります。
電工試験用のセット販売の工具でもいいですが、自前で用意できるものとの兼ね合いで個別に買いそろえるのでもいいと思います。
自分は個別に買いそろえました。
その方がコスト的に安く上がったというのもありますが、一方でコスパだけで工具を選ばない方がいいようにも思います。
それこそドライバーやペンチなんて 100 円ショップでも買えますが、一定品質の工具、かつ適切なサイズ感 (これ大事) の工具を手にした方が、モチベーションは上がります。
特に作業効率に影響すると実感したのは、VA 線ストリッパーですね。
他のメーカーのものを試したわけではないものの、こちらは評判通りの優秀な工具でした。
あと、自分の場合はセット工具を選ばなかったもう一つの理由として、色を統一したくなかったというのがあります。
目的の工具を取り出す際に、色が同じだと紛らわしいと思ったんですね。
工具の取り出しやすさ・しまいやすさという意味では、腰袋もおすすめです。
*ペンチとウォーターポンププライヤーのグリップの色が同じですが、どちらもありもので、かつウォーターポンププライヤーはねじなし管を使う問題でない限りまったく出番がないので、許容範囲かと。。
練習キットは 1 回分から複数回分まで売られています。
案外お高いのですが、こちらは個別に買いそろえるのがやたら大変なので、無難にセットで。
ただし 1 回分で十分です。
こちらのセットは Amazon アウトレットでちょっとお安いものが出ていたりします。
13 種類の問題すべてを一回ずつ試せるだけの量があります。
一回ずつだけだと不安に思うかもしれませんが、結局は器具の結線やケーブル同士の接続という共通の作業を繰り返し練習することになるので、一通り練習できれば事足りると思います。
自分は一回ずつ練習した後も試験日まで余裕があったので、VVF ケーブルと圧着スリーブを買い足して、難易度が高そうな問題だけ事前に復習しました。
とはいえこの部分は趣味というか余興で、共通作業の復習だけであれば使ったケーブルの再利用でも十分です (問題で指定される長さより短くなりますが)。
練習量は各 1 回分でいいとして、大事なのは参考書でガイドされた手順やお作法に忠実に従うということでしょう。
いろいろな流儀をつまみ食いするのでなく、統一された考え方に裏打ちされたやり方を身につける方が、作業品質の安定につながると思います。
おわりに
資格試験の勉強法に関する YouTube 動画か何かで言われていましたが、やっていて「なんか楽しいなこれ」と思えたらこっちのもんです。
技能試験対策は特にその傾向があると思います。
筆記試験対策についても、単なる知識の詰め込みや過去問の丸暗記でなく、理屈をきちんと理解したり、暗記の仕方を自分なりに工夫したりと、主体的に続けられるポイントを見つけるのが大事だと思います。
以上、学科と実技をまとめたので長文になりましたが、「やってうまくいったこと」の共有でした。