11 年前に買って以来、ほぼ毎日座り倒してきたハーマン ミラーのセラチェア。
さすがに汚れているわけですが、構造上なかなか細部までの清掃ができません。
3 年ほど前に、2 ちゃんねるで分解手順を晒してくれた猛者の話を記事にしたものの、実際に作業するには至りませんでした。
が、GW 10 連休も終わりに差しかかった日、ついに分解に挑むことに。
というのも、ハーマンミラーの公式サイトで分解作業がちゃんとガイドされているのを発見したんですわ。
以下、その記録です。
いきなり注意事項
ガイドの PDF のタイトルは "Celle Disassembly for Recycling" です。
すなわち、本来これは分別廃棄のための分解ガイドであって、清掃のためのものではありません。
なので、キレイに元通りにできることを前提として書かれてはいません (たぶん)。
ぶっちゃけ、普通にやると傷ついたり破損するパーツがあります。
ま、自分は実際ぶっ壊しちゃいましたけどね。
ということで、私の経験をこれから分解・清掃に挑む人には活用していただきたいなと。
必要な工具
ガイドにはいろいろ挙げられていますが、上の写真の状態までなら、
- マイナス ドライバー
- トルクス レンチ (T20/T30)
- ラジオペンチ
くらいで大丈夫です。
トルクス レンチは「いじり止め」対応である必要はなく、シンプルなものでいいです。
大事に分解したい人は、養生のためのグッズもお忘れなく。
キャップを外す
マイナス ドライバーでコジります。
普通にやるとキャップやホルダーが傷つきます。
ほらね。
背もたれを外す
背もたれの下端部あたり、左右にあるねじを T30 で外します。
これで背もたれは取れちゃいます。
座面高調整ケーブルを外す
座面裏右側のレバーから、ラジオペンチを使ってケーブルを外します。
座面を下げきっておくと、ケーブルに余裕ができて作業しやすいです。
円形のゴム ワッシャーで座面に固定されているので、そちらも外します。
座面裏のクリップを外す
ガイドの #7 なんですが、どこを指しているのかヒジョーにわかりにくいです。
正しくは座面裏の左右後端、アーム レストの付け根の真上くらいにあるパーツです。
マイナス ドライバーを引っ掛けて押し下げれば外れます。
座面を外す
座面を前後調整するレバー (左側) を操作したまま、座面を前に引き出すと外れます。
ご覧のように汚いので、心行くまできれいにしちゃいましょう。
座面を分解する…?
ここまでで
- 背もたれ
- 座面
- フレーム
と分解できたわけですが、これでよしとできれば戻すのも簡単です。
が、人によっては 2 層構造になっている座面もさらに分解したいと思っちゃったりしますよね。
実際、セラチェアのもっとも汚れる箇所って、この座面の層の間だったりするんですよね。
座面の上層がメッシュというかハニカムで、座面の下層の前部が「ごみ受け」みたいになってしまっているので、構造上ここに汚れがたまります。
ただ、この後説明するように、ここから先の作業は結構リスキーです。
できれば、この状態で先の細いものを使うなりして、層の間を清掃するのにとどめた方がいいと思います。
そんなんじゃスッキリできない! という人だけ、この次に進みましょう。
座面を分解する
自分がパーツを破壊したステップです。
座面の層の分離には、ぱっと見は周囲のねじを外せばいいように思えます。
実際、多くのねじは T20 ですんなり外せます。
問題は 2 か所だけ。
左右の座面レバーの裏に隠れた T20 ねじですが、レバーを外してしまわないとアクセスできません。
ガイドの #10 では disengage とか pull off とかしれっと書いていて、実際のところ、レバーを通常動かすのと逆方向にぐいっと引くと、外れます。
が、レバーがこうなりました。
レバーは両端の突起でホルダーに収まっている、という想像はその通りだったものの、付けたり外したりを可逆的にやれるつくりにはなっていないような気がしました。
いずれのレバーも、この突起が折れてしまいました。
レバーを破壊することなくこのねじが外せればよかったんですけどね。
細くて硬いものを差し込んで慎重に取り外すなどできればよかったのかもしれませんが、もはや検証不可能…。
清掃
自分はこの状態で、清掃をしました。
背もたれと座面はほこりの付着が多かったので、外に出して水をぶっかけて汚れを落としました。
フレーム部分は水拭き。
高圧洗浄機があれば、座面を分解しなくても層の間を洗えるのではないでしょうか。
組み立て
レバーの折れた突起は、接着剤で復活を試みるも、ホルダーに押し込むときにかかる力に負けてしまい、結局直りません。
折を見て工夫して再チャレンジしようと思いますが、まずはレバーなしで組み立てました。
それでも座面高は、手でケーブルを引けば調整できますし、そうそう変更するものでもないので影響はありません。
ただ、座面の前後調整についてはストッパーがない状態なので、座り方によっては前後に動いてしまいます (クリップがあるので外れはしません)。
まとめ
長年愛用してきたチェアを、きれいにしたうえでさらに長く使うための分解・清掃だったんですが、かえって一部パーツを破壊する展開になりました。
かといってもう使えなくなるといったほどの事態ではなく、実際きれいになってすっきりしただけでなく、清掃前にあったきしみ音がなくなったので、分解・清掃にチャレンジしたこと自体はよかったと思います。
レバー修復の案は一応考えていますが、材料の手配や作業のための時間が取れないまま連休が明けてしまったので、今のところ放置です。
追記
後日談はこちら。